HINREVERSE ENTROPY JOURNAL
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額のボトックス後、目が重い・眉尻が上がるのはなぜ?

著者:チェ・ギョンロク 医師・医科学博士 · 2026-10-30

額のしわは減ったのに、目が重く感じられたり、眉尻だけがとがったように上がって印象が変わったりすることがあります。しわをつくる筋肉の力を弱めたのに、なぜこのような変化が起こるのでしょうか。

額の筋肉は、しわをつくるだけの筋肉ではないからです。眉を持ち上げる役割があり、人によっては眉やまぶたのたるみで狭くなった視野を補うためにも使われています。

ボツリヌストキシンを理解するには、しわの場所とともに、その筋肉が普段どんな仕事をしていたのかを見る必要があります。

眉を上げる筋肉と、まぶたを開く筋肉は別です

額にある前頭筋は、眉を上に持ち上げます。一方、皺眉筋、鼻根筋、眼輪筋などは、眉を下方や内側へ引きます。眉の位置と形は、こうした力のバランスに影響されます。

ここで区別したいことがあります。前頭筋が主に持ち上げるのは眉です。上まぶたを直接持ち上げる主な筋肉は、まぶたの内側にある上眼瞼挙筋です。

眉を上げると目が大きく見えることはありますが、二つの筋肉が同じ働きをしているわけではありません。施術後に眉が下がった場合と、まぶた自体が下がった場合も、分けて考える必要があります。

前頭筋は眉を、上眼瞼挙筋は上まぶたを持ち上げることを別々の矢印で示した模式図
前頭筋は眉を、上眼瞼挙筋は上まぶたを直接持ち上げます。眉毛下垂と眼瞼下垂は分けて評価します。筋肉の正確な形状や注射の位置・深さを示す図ではありません。図:Reverse Entropy。de Sanctis Pecoraら, Toxins, 2025に基づきます。

目が重くなる場合と、眉尻が上がる場合

まぶたの皮膚がたるんでいたり、目を開く力が不足していたりすると、無意識に額へ力を入れて眉を上げることがあります。このときの横じわは、単なる表情の癖だけでなく、目の周りのたるみを補っていた跡でもあります。

この状態で前頭筋の力を大きく弱めると、眉を支えていた力も減ります。眉が下がり、目の上が重く感じられることがあります。これが眉毛下垂です。

一方、トキシンが上眼瞼挙筋に影響すると、上まぶた自体が下がる眼瞼下垂が起こることがあります。「目が小さくなった」と感じても原因が異なるため、どの位置が下がっているかを確認する必要があります。

眉尻が上がる、いわゆるスポック眉は、また別の状態です。韓国では「サムライ眉」とも呼ばれます。額の中央の動きが弱くなった一方で、外側の前頭筋の動きが比較的残っていると、眉尻が目立って上がることがあります。

顔の筋肉は、場所によって残っている力が違うだけでも、形が変わります。

同じように見える額でも、動く方向は違います

しわの形が似ていても、筋肉の動きまで同じとは限りません。眉を上げると額の皮膚が全体として上へ動く人もいれば、額の上部と下部が異なる方向へ動く人もいます。

2025年の論文に掲載された下の3次元画像は、この違いを示しています。色と矢印は皮膚が動いた大きさと方向です。施術前後の効果を比較した写真ではありません。

額の皮膚の双方向・単方向の動きを矢印と色で示す、論文の原図Figure 1
原論文のFigure 1です。安静時から最大収縮時までの変位を示し、Aは上部と下部で方向が異なる双方向パターン、Bは主に上向きの単方向パターンです。写真・矢印・色の目盛りは原図のままです。施術前後の比較や当院の症例写真ではありません。
出典:de Sanctis Pecoraら. Why, When, and How to Treat Dynamic Forehead Lines with Botulinum Toxin Type A. Toxins. 2025;17:603. 論文 · CC BY 4.0。

そのため、眉を上げたとき、眉間にしわを寄せたとき、力を抜いたときを、それぞれ観察することが大切です。静止したしわの線に沿って等間隔で注射するだけでは、動きの違いをすべて反映できません。

眉間だけを治療して、額のしわも減ったとしたら?

筋肉同士の関係を示す、もう一つ興味深い研究があります。2025年の研究では、成人18人に対して、額には注射せず、眉間だけにボツリヌストキシンを投与しました。

治療は0日目、90日目、180日目の3回行い、それぞれ30日後に再評価しました。最後の評価まで、約7か月間の研究です。

結果として、眉間だけでなく額のしわの評価点も低下しました。額のしわのスコアの中央値は、開始時の3点から最後の評価では1点になりました。眉間単独治療の研究。

0、30、90、120、180、210日目の額のしわスコア中央値が3、2、3、1、2、1と変化したグラフ
眉間だけを治療した18人の予備研究のTable 2を再作図しました。0・30・90・120・180・210日目のFWS中央値は3・2・3・1・2・1点。注射は0・90・180日目です。原表の四分位範囲(IQR)は1.0・2.0・1.0・1.0・2.0・1.3で、グラフには表示していません。対照群はなく、眉の位置には有意な変化が認められませんでした。
出典:Continuous Improvement of Frontal Rhytids Following Glabella Only Treatments With Neuromodulators—A Clinical Prospective Pilot Study. Journal of Cosmetic Dermatology, 2025. Table 2。作図:Reverse Entropy。

研究者は、眉を下げる筋肉の力が弱まることで、反対側の前頭筋が同じ位置を保つために使っていた力も減った可能性を示しました。ただし、筋電図などでこの仕組みを直接確かめたわけではありません。

また、眉の位置の評価には有意な変化がありませんでした。「眉間だけを治療すれば眉が大きく上がる」という根拠としてではなく、隣り合う筋肉のバランスを変えるだけでも、しわが変化しうることを示した結果として読むのが適切だと思います。

私が大切にしているのは、しわと機能を一緒に見ることです

私が医科学の博士号のために書いた論文も、ボツリヌストキシンに関するものでした。美容医療では効果が高く、長く残る副作用はまれであることから、私が特に好んで行う施術の一つです。

とりわけ、しわが深く刻まれてから治療するだけでなく、その前から予防を考えて使うことに価値を感じています。適切に評価して治療を設計すれば、望ましくない影響を抑えながら効果を得られます。ただし、筋肉の動きを一時的に制限するため、不快感や不自然な表情が生じることはあります。

そのため、額のしわをできるだけ減らす目標と、楽に目を開き、自然な表情を保つ目標のバランスが必要です。もともと眉が低い人や、額による代償作用が大きい人に、同じ強さの治療を当てはめるべきではありません。

私は、静止した状態だけでなく、力の使い方、左右差、もともとの眉とまぶたの位置を一緒に見ることが重要だと考えています。量や注入部位に加えて、筋肉の深さや周囲の構造も考慮します。

ボリュームの減少や皮膚のたるみがある場合は、その問題を別に評価します。原因によっては、高周波やフィラーの力を借りて改善できることもあるからです。

施術後に目が重くなったり眉の形が変わったりしたら、無条件にトキシンを追加する前に、眉の位置が変わったのか、まぶた自体が下がったのかを確認する必要があります。

ボツリヌストキシンが弱めるのは、筋肉の力です。その力がしわをつくっていたのか、たるみを補っていたのか、ほかの筋肉とどのようなバランスを取っていたのか。そこを読み取ることが、自然な結果につながります。

参考資料

  1. de Sanctis Pecora et al. Why, When, and How to Treat Dynamic Forehead Lines with Botulinum Toxin Type A. Toxins. 2025;17:603. DOI。
  2. Continuous Improvement of Frontal Rhytids Following Glabella Only Treatments With Neuromodulators—A Clinical Prospective Pilot Study. Journal of Cosmetic Dermatology. 2025. DOI。

最初の専門家論文では、Merz社の支援と著者の企業との関係が開示されています。二つ目の予備研究は、利益相反なしと報告しています。

韓国語原文の公開日:2026-10-26。韓国語の原文を読む ↗